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無駄な事なんてない

大手鉄鋼メーカーを脱サラして子連れジムを立ち上げた異色の経営者。

仮に私が大成功して、
メディアに取り上げられたら、
恐らくこうやって表現されるだろう。

側から見れば全然畑違いの仕事。

でも畑違いの仕事を始めたからこそ気づいた事がある。

無駄な事なんてない

 

前職は鉄鋼メーカーに勤務して、
鉄を加熱するための炉の設計や検査ラインの立ち上げ、
日本のその筋の人達を大騒ぎさせた爆発事故の際は最前線で復旧に携わった。
退社前の3年間は主力ラインの予算配分等、経営的な仕事をさせてもらった。

全然違う仕事じゃん。

確かに業種も仕事内容も全然違う。

でもあの頃、上司に叱られ、
時には涙を流しながらガムシャラに頑張った事が今凄く活きている。

例えば国の補助金の申請。
サラリーマンがお金を使って製造ラインの変更をするには、
会社の偉い人たちに

ここのラインのここが問題です。
1億円使えば1億5千万円の効果が期待できます。
だから1億円使わせてください。

という様な予算申請書というものを作らなければならい。
極論エンジニアとしての存在意義はこの予算申請をして、既存の物事を変える事。
と思っていた私はガムシャラにやった。

国への補助金の申請はこれによく似ている。
というか、一般企業の予算申請に比べれば大分楽。
唯一ネックなのは印鑑証明だったり、誤字脱字だったり私の苦手なお堅い事が多い事。
そういう意味でサラリーマン時代の経験がもしなかったら。。。
と考えるとゾッとする。

もう一つ例を上げるとランニングマシンの故障。
現地現物という文化がある。
製造ラインで故障が発生した時、
現場へ行ってどこが故障したか、
何故故障したかを考える。

別に若手エンジニアが現地へ行っても行かなくても、
大勢に影響はないのだけど、
故障した箇所の確認やどうやって修理するのかを考える。

当店のランニングマシンが故障した時、非常に役に立っている。
ランニングマシンなんて今までいじったことも分解したこともなかったけど、
現地現物の経験があったからこそ、マシンを分解して修理する事ができる。
お客さんに

何故修理できるんですか?

と聞かれるけど、あの頃の経験がなければ絶対に修理できないししようとも思わない。

今あげたことはほんの一例で他にも役に立っている事がたくさんある。
確かに上司や先輩には恵まれていたし、今も多くの人に支えてもらっているけれど、
当時経験させてもらったことで、無駄なことは何一つとしてない。
と思っている。

何が言いたいかというと、失敗するかもとか意味がないからやらない。
という人には何かをガムシャラにやって欲しいし、
子供達には好きなことにとことんハマってほしい。
それがスマホゲームだって全然良い。

最後にもう一つ例を上げると、
私はスノーボードが大好きで、今でも年に20日ぐらいはゲレンデに行く。
大学生の頃は授業をサボりまくってゲレンデにいた。
今考えると恐ろしいがプロになりたいとすら思っていた。
一見すると若気の至とも思えるが、
残念ながらプロにはなれなかったけど、
スノーボードを通じて小中学校の同級生と距離が縮まり結婚した。
友人に言わせるとのび太くんとしずかちゃんが結婚した様なものらしい。

ほら。本来プロになりたい。
と思ってハマったスノーボードでも、ハマると意味が出てくる。

だからやる前に意味を見つけるのではなくて、
面白そうだからやってみる
楽しそうだからやってみる
少し寂しいけれど
親や上司がうるさいからやってみる
でも良いかもしれない。

一生懸命やっていると意味っていうのは後から降ってくる。
そんな気がする。

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